30代以下の若手候補が出現しやすい県と出現しにくい県とを比べた。トップは山形となった。山形1~3区の小選挙区候補者は計4回の総選挙で、のべ43人、うち13人が30代以下。若手候補の占める比率を計算すると、約30%になる。13人のうち3人が当選した。山形は14年衆院選で、自民党が3議席を独占。2区の鈴木憲和氏、3区の加藤鮎子氏はともに30代だ。

 若手候補出現の比率をみると、次いで静岡、新潟、徳島、佐賀と続く。対照的に、最も低いのは香川。直近4回でのべ40人が立候補したが、若手は約8%の3人。14年の前回総選挙は香川1~3区に3人ずつの計9人が立候補したが、いずれも男性で40代以上の戦いだった。

 女性候補の出やすさを都道府県別に比較すると、奈良が高かった。計4回の候補者数のべ58人に対し、女性候補は約24%でのべ14人。うち3人が当選した。奈良は元総務相の高市早苗氏の地元だ。

 次いで多いのが福井で、約22%。候補者数のべ36人に対し、女性は8人、うち4人が当選した。元防衛相の稲田朋美氏の地元だ。

 対照的に女性比率が小さいのが鳥取や島根。鳥取は元防衛相の石破茂氏の地元で、前回総選挙は鳥取1~2区に計5人が立候補したがいずれも男性。4回分でみると、候補者数のべ26人に対し、女性候補はゼロだった。

 最後に、投票率を都道府県別でみると、島根は1969年の総選挙から16回連続で全国トップ。島根は、16年度の県税徴収率が99.15%と9年連続1位。シートベルト着用率(警察庁・JAF合同調査)も全国2位で、何事にもまじめな県のようだ。ほかに投票率が高い県は山形、山梨などがある。

 投票率を男女別で比べると、男性のほうが女性より高い県が多い。しかし、高知は直近4回の衆院選ともに女性が男性を上回った。快活で「はちきん」と呼ばれる高知の女性だが、投票行動にも表れているのかもしれない。

 22日投開票の第48回総選挙の結果は、どんな地域性が出現するだろうか。(本誌・吉崎洋夫)

週刊朝日 2017年10月20日号

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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