津田大介「フェイクニュース作りが地場産業に」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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津田大介「フェイクニュース作りが地場産業に」

連載「ウェブの見方 紙の味方」

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津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)

津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)

津田氏が米大統領選でフェイクニュースを量産したマケドニアの今を語る(※写真はイメージ)

津田氏が米大統領選でフェイクニュースを量産したマケドニアの今を語る(※写真はイメージ)

 記事中「フェイクニュースのパイオニア」を自称する24歳の男性が記者に語った内容も興味深い。彼のアカウントは対策強化によって凍結されてしまったが、最盛期には2人の米国人ライターを含む15人のスタッフを雇い、フェイスブックで150万フォロワーを集めていた。現在照準を2020年の米大統領選に定め、戦略を見直し再起を図っている最中だ。再スタートしたフェイクニュースサイトは、既に1日2500ドル(約28万円)の収益をあげているという。

 対策が強化される一方で、それをかいくぐる手法も進化している。通常、フェイクニュース運営者は拡散用に多数のフェイスブックアカウントを取得しているが、新たに取得しようとしても、複数アカウントの取得を禁じるフェイスブックに即座に凍結されてしまう。そこで、子どもたちから「本物」のフェイスブックアカウントを2ユーロ(約260円)で買い取り、名前やプロフィルを米国人風に変更して拡散に利用しているそうだ。

 ユーゴスラビアからの独立以降、停滞する経済に悩むマケドニアにとって、フェイクニュースは「新たな産業」として注目される存在だ。ヴェレスのスラブチョ・チャディエフ市長は世界中から非難の声が寄せられてもどこ吹く風。「政治に道徳も不道徳もない。すべてが許されている」と地元の若者を擁護している。

 IT業界や広告業界が本気でこの問題に取り組まない限り、フェイクニュースはなくならない。マケドニアで起きていることは、全世界でも同時並行的に起きていることだからだ。

週刊朝日 017年10月6日号


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津田大介

津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『情報戦争を生き抜く』(朝日新書)

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