ここからは2位争い、3位争いに注目が集まるが、両優勝チームを倒す球団はあるのか。クライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージで1勝のアドバンテージを持つ優勝チームが圧倒的に優位であるのは間違いない。他球団からしたら、ファーストステージも含めてエースが投げた試合は絶対に負けないこと。そして、ファイナルステージの初戦で必ず勝つことが大事になる。王者に精神的ゆとりを持たせたら戦力差が出る。下克上を目指すなら、一気に勝ちきるくらいの勢いが必要だ。

 巨人は菅野が9月に入っても圧倒的な力をみせている。マイコラスや田口も安定しており、カギを握るのは4番手の新人・畠だ。3位でファーストステージに進み、3戦を戦ったら、ファイナルステージ初戦は畠が先発するのだろう。ここで相手にひるまず立ち向かえるか。阪神にしても、DeNAにしても、3番手、4番手の投手がファイナルステージ初戦で、勝ちきれるかが注目となる。

 ソフトバンクの柳田が脇腹を負傷したようだが、怖いのは故障。優勝チームの誇りと、下克上を目指す意地のぶつかり合いを最高のチーム状態で見たい。

週刊朝日 2017年10月6日号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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