日下部さんによると、ラズベリーは日焼け止め成分として知られる二酸化チタンと同等の保護作用があるため、ラズベリーのオイルを塗っての日焼け対策も有効だという。さらにラズベリーオイルには肌の修復に良い必須脂肪酸と抗酸化成分も含まれている。

 とはいえ、肌に塗るのに向かないオイルもあるという。たとえば、鉱物油。浸透性がなく、油分が植物油より強く、肌に残る。2〜3回洗い流さないと、しっかりと落とせないようだ。

 日下部さんは「鉱物油入りの化粧品は、美容効果を期待できません。乾燥肌の人が使い続ければ、肌が本来持つ、皮脂を出す力が弱まり、乾燥しやすくなることもあります」と話す。

 マカデミアナッツオイルを肌に塗ると、美肌効果だけでなく、血糖値上昇を抑える作用があることもわかってきた。メタボリックシンドロームや糖尿病予備軍の人に適しているとされる。

 日下部さんはよく飛行機に乗り、移動中の乾燥防止に余念がない。あるとき、機内で気づいたことがある。

「乾燥防止にシュシュって化粧水をスプレーするほど、肌が乾燥していったのです。不思議だなぁ、と。ぬれてゴワゴワになった革靴にいくら水をかけても、かたいままですよね。乾燥した革靴とドライ肌は一緒。水分が足りないときに与えるべきは油分だったのです」

「オイル美容の母」と呼ばれる人がいる。オイル美容歴21年の小林ひろ美さん(53)。若いころはずいぶんと日焼けしたというが、シミ肌でない。長年のオイル美容の効果のようだ。

「肌の角層を構成する角質細胞は、一個一個の細胞が碁盤の目のように並んでいます。細胞と細胞をつなぐセメントのようなものが細胞間脂質。紫外線や大気汚染等の外的刺激から肌を守り、体内の水分のコントロールに関係します。この脂質が何らかの形で薄くなると、保湿をしても水分がすぐに飛ぶ」

 女性が陥りたくない肌の五つの悩みは、シミ・しわ・くすみ・たるみ・毛穴の開き。これらを呼び起こすのが、乾燥だ。

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