Aさんらは減額分の返還を求め、訴訟することを検討しているという。

 レオパレス21の一部オーナーによって14年に設立された「LPオーナー会」の前田和彦代表はこう訴える。

「会員など約200人に実施したアンケート調査で、契約時、約6割のオーナーが、『家賃が下がらないという説明を受けた』と回答しています」

 サブリース契約を結ぶ際、口頭での約束をうのみにし、多額の借金を抱え、破産した人もいる。

 千葉県野田市に住む男性Bさん(76)は裁判所から届いた手紙の前で頭を抱えていた。Bさんは自宅の住宅ローンの借金約570万円と、アパートを購入した際の借金2千万円以上を抱える。自宅は差し押さえられた。裁判所から自宅の評価額の通知を待っている。

 現役時代は中堅の広告会社で働き、年収1千万円の時期もあった。狂い始めたのは、レオパレス21(当時の名称はMDI)から甘い勧誘を受けてからだ。

 1992年3月、Bさんは銀行を含む金融機関と約6千万円の融資契約を結んだ。金利は固定金利の7.75%で期間は30年。この資金は、レオパレス21と契約したアパート建設資金約5900万円に充てられた。

 購入したアパートは山梨県に建てられた。「都市部は地価が高すぎる。これからは地方の時代」と言われたからだ。

 Bさんはアパートを契約する前、すでに銀行から借金し、野田市に自宅を購入していた。

 当時その住宅ローン返済に月約5万円を支払い、年収は600万円ほど。副業や不動産収入はない。

 追加で6千万円もの借金をするには、本来なら融資する側も慎重に審査すべき案件だ。

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