「自動運転」技術で遅れた日本…欧米の“カモ”にされる? (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「自動運転」技術で遅れた日本…欧米の“カモ”にされる?

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週刊朝日
フランクフルトモーターショーでドイツのアウディが発表した完全自動運転車のコンセプトモデル(c)朝日新聞社

フランクフルトモーターショーでドイツのアウディが発表した完全自動運転車のコンセプトモデル(c)朝日新聞社

地域別にみた電気自動車(EV)の普及台数(週刊朝日 2017年9月29日号より)

地域別にみた電気自動車(EV)の普及台数(週刊朝日 2017年9月29日号より)

 自動運転技術への出遅れは、もう一つの危機も生む。技術標準など、業界のルールづくりへの乗り遅れだ。

 ドイツメーカー関係者は「シミュレーションソフトは実物で確認する以上に精度が高い。実物の試作車をいかに減らして開発する力があるかが、今の時代は問われる」と言う。ドイツはこのシミュレーション技術でデファクトスタンダード(事実上の標準)を獲得するねらいだ。

 ある部品メーカー関係者は「負けを認めたトヨタは最近、ドイツのソフトを開発部門に全面導入することを決め、大きく方針転換した」と打ち明ける。

 自動運転のソフト開発で、日本包囲網ができつつある。

「ユダシティ」と聞いても、それが企業名だと気付く人は国内ではまだ少ないだろう。同社は、米シリコンバレーに拠点を置くオンライン教育のベンチャー。すでに200億円近い投資を受けている。人工知能やセンサーなど自動運転に関する教育コンテンツを提供することが主な事業だ。

 創設者はグーグルで自動運転担当役員を務めたセバスチャン・スラン氏。スタンフォード大学で人工知能を研究する教授だったが、グーグルに転じ、革新的技術開発をねらう専門チーム「グーグルX」を立ち上げたことでも知られる。

 自動運転の技術はどんどん進化する。いずれ一部のクルマは人工知能を備え、ロボット化する時代も訪れる。開発現場が求める知識と大学で学ぶ内容はギャップが出始めており、ユダシティはそれを埋めることがビジネスチャンスだと判断した。

 約200のカリキュラムがあり、登録者は初級から上級まで約400万人いるという。たとえば、自動運転のカリキュラムでは、センサーや位置測定などの最新技術を学ぶ。実際に開発したソフトを、ユダシティが保有する自動運転車に搭載して動くかどうかも確認する。9カ月程度の受講期間があり、受講料は2400ドル。講義は英語で、数学、物理、プログラミングなどの基礎知識が必要になるそうだ。

 ユダシティは「二つの野望」を持つ。

 まずは、技術の標準化戦略の推進だ。人材サービス企業と連携し、修了生の転職支援などもしている。同社のコンテンツで自動運転を学んだエンジニアが増えれば、その考え方や手法が自然とデファクトスタンダードになるだろう。

 シリコンバレー駐在経験がある日本メーカーの技術者は、こう説明する。


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