スカウトの評価が上がった田浦(c)朝日新聞社
スカウトの評価が上がった田浦(c)朝日新聞社

「史上最強打線」と言われて乗り込んだU-18野球ワールドカップ(カナダ)では、期待通りに打線が機能せず、3位に終わった高校ジャパン。4番の清宮幸太郎(早稲田実)は打率2割1分9厘、2本塁打で、「スイングスピードの速さや打撃の柔らかさ、そして飛ばす能力はズバ抜けている」と、プロのスカウト陣の評価は下がらなかったが、実力通りとは言い難い結果だったことは否めない。また、今夏の甲子園で大会記録を更新する6本塁打をマークした中村奨成(広陵)や、同じく右のスラッガーとして期待された増田珠(しゅう=横浜)にいたっては打率1割台と苦しんだ。

「中村君に関しては甲子園直後の国内合宿から動きにムラがあって体にキレがなかった。甲子園の疲れはあったでしょうね」

 そう指摘するのはセ・リーグの某スカウトだ。また、毎大会で言われることだが、金属バットを使用する日本の高校球児の「木製バットへの対応力」の乏しさと難しさが、今大会でも露呈した形となった。パ・リーグの某スカウトは言う。

「高校生の場合、木製バットでのインコースの対応に苦しみます。バットのヘッドが出てこないと、打球が詰まりますからね」

 ただ、そのスカウトは苦しんだ打線の中にも非凡な対応力を見せたバッターがいた、と語る。

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