「最前列の親衛隊以外は、『すごいもの見ちゃった』と戸惑いの表情。『森高千里』と、ウィキペディアを調べる若者もいました」
森高より後に出演したバンドのボーカルも、ステージ上で思わず本音をポロリ。
「なにかと思ったら森高さんだった。ああいうの好きだよ。みんなが求めてるのと違う感じ」
「50歳を前に迷走か」と心配になるが、専門家によると実は、このパフォーマンスこそ、森高らしいのだそうだ。音楽評論家の宗像明将さんが言う。
「森高さんの音楽性は、昔からトガっている。今回の件も、彼女ならやりかねないと思いました」
森高はアイドル時代、アルバム「非実力派宣言」で当時無名だったバンドの曲をカバーして音楽ファンを驚かせた。ここ数年間でも、若手アーティストとコラボレーションしてアルバムを作るなど、新たな才能や異なるジャンルを積極的に取り入れてきた。
「アイドルのイメージが強いから誤解されがちですが、根っからのアーティスト。ドラムの腕前もプロ級です。年に1度の夏フェスで『かました』ロック魂が、むしろ森高さんらしい」
オバさんになって若い子には負けてないのだった。(本誌・直木詩帆)
※週刊朝日 2017年9月29日号