こうなると店で札ビラ切りながら金勘定する(閉店後、金勘定してると必ず誰かズカズカ入って来るのはどうかと思う。鍵かからないのか、銀座のクラブ)その姿も、俄然貫禄たっぷりに見えてくるから不思議。やっぱり女優という存在は、生き様含めて「女優」なんだとしみじみ思う。
そして改めてこのドラマ、何度見ても面白い。何度見ても細かいとこ覚えてないから、毎度筋書きのエグさに引き込まれる。銀座の灯りに群がる男たちは、美容外科クリニックの院長、大手予備校の理事長、政財界のフィクサーなど。
その男たちを手玉に取ろうと目論む野心あふれる女という構図の普遍性。この先何年たとうとも、銀座と金と男と女は永遠に変わらないんじゃないかという気にさせる。
元子を取り巻く人々も、理事長役に高嶋政伸、院長の愛人役で高畑淳子と、これまたいつかワイドショーを騒がせたクセの強い面々ぞろい。つまり鉄板のストーリーとぬかりない配役さえあれば、ヒロインは美しいドヤ顔だけ決めてれば、なんとかなりそう。
ただひとつ、元子と深い仲になる議員秘書・安島役の江口洋介。さすがに武井と並ぶとお父さんに見える。やり手の女はお父さんじゃなくて、EXILEとつき合ってますよって、ついつい余計なこと考えちゃうのは、どうしてくれる。
※週刊朝日 2017年9月22日号