室井佑月「まさかと思わせる作戦?」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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室井佑月「まさかと思わせる作戦?」

連載「しがみつく女」

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ミサイル発射の前夜、安倍首相は公邸に宿泊したが…(※写真はイメージ)

ミサイル発射の前夜、安倍首相は公邸に宿泊したが…(※写真はイメージ)

 ミサイルは発射しないと軌道はわからない、それも的確じゃないから、あんな広範囲でJアラートが鳴った、それが今のこの国の能力といわれれば、だったらアメリカとつるんで北朝鮮を煽る真似すな、といいたくなる。国民の命と財産を守るって、口だけかいと。

 ミサイル発射後の会見では、安倍首相も、菅官房長官も、「これまでにない深刻かつ重大な脅威」といっていた。これがまた、政府のいっていることがわからなくなる理由のひとつ。

 官邸が情報をつかんでいても国民に知らせなかったのは、国民に不用意に不安を与えないため、そう考えたのかもしれん。

 だけど、それなら「これまでにない深刻かつ重大な脅威」なんて言い方をするわきゃない。北朝鮮がこの国を飛び越えてミサイルを撃つのは5回目、てかこの国はずっと前からミサイルの射程距離に入っておる。

 急にアタフタしだしたのは、ミサイル開発が進み、アメリカに届きそうになったから。北朝鮮もアメリカと話がしたくて、ミサイルを連発している。そこに安倍さんが入り込んで、国民に対し危機の大安売り。

 そうそう、9月1日、首相官邸報道室は、東京新聞に対し、注意喚起するように書面を送った。ミサイルの件じゃなくて、望月記者の加計学園に対する質問についていちゃもんを付けた。

 わかりやすすぎて、まさかと思わせる作戦か?(国民向け)

週刊朝日 2017年9月22日号


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室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中。

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