ジムの運動より家の掃除が効果的? 豊かな老後を過ごすには (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ジムの運動より家の掃除が効果的? 豊かな老後を過ごすには

連載「貝原益軒 養生訓」

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週刊朝日
家に居て、時々わが体力の辛苦せざる程の労動をなすべし(※写真はイメージ)

家に居て、時々わが体力の辛苦せざる程の労動をなすべし(※写真はイメージ)

 最近では、筋肉から分泌される様々なホルモンの存在がわかり注目されています。その様々なホルモンを総称して、マイオ(筋肉)+カイン(作動因子)でマイオカインといいます。

 その数は30種類以上あり、大腸がんのアポトーシス(がん細胞が自然死して消えてしまう現象)を促したり、肥満や糖尿病を抑制したり、脂肪肝や動脈硬化を改善したりと、私たちの健康維持に様々なかたちで貢献しています。

 さらに、マイオカインのひとつであるアディポネクチンには、大脳にある海馬の神経が新しく作られるのを促す働きがありそうです。うつ病や認知症の予防につながる可能性が見えてきているのです。

 このマイオカインは筋肉を動かすことによって分泌されますから、体を動かすことが大事だということになります。

 体を動かすことの基本は歩くということでしょう。歩けなくなれば、ぐっと運動量が減ってしまいます。様々な原因で歩けなくなってしまうことを最近ではロコモティブ症候群と名付け、その予防に力を入れるようになっています。

 高齢になって歩行ができなくなれば、介護の面からも負担が高まります。何歳になっても歩くようにする、そしてこまめに体を動かすということが、豊かな老後を過ごすための養生なのです。

 ちなみに私は、理想の死に方をいくつか考えているのですが、そのひとつは居酒屋のドアノブに手をかけて、バタリと倒れるというものです。

 ですから、近くの居酒屋までは、最後まで何とか歩いていきたいと思っています。

週刊朝日 2017年9月15日号


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帯津良一

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など多数の著書がある

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