肝心の律と凜華のラブストーリー部分もドキドキ成分ほとんどゼロ。律が「頼みがある、膝まくらしてくれ」と囁く。しました。律が「抱きしめてくれ」と囁く。しました。そうじゃないんだ、過程を見せろ。膝まくらに至る二人の気持ちだ。酒飲んでていきなり膝まくらされたってドキドキしねぇんだガシャーン! ひっくり返すちゃぶ台がいくつあっても足りない。
本来なら盛り上がるべき告白シーンだって、凜華がびっくりするくらい棒読みに聞こえるんだから、ドラマって恐ろしい。「一緒にいて笑えるのは、律が一緒の時なの」。カタコトか!
だいたい律が凜華を呼ぶ時のあだ名「ボケチン」。これを聞くたびに、鳳啓助の「ぽてちん」がよぎって集中できないんですよ。いちいち律がボケてるみたいで。だったら凜華も律に「このエロガッパ!」って突っ込まないと。って、どうにも脳内が(京)唄子・啓助。
なんとなくすべての役者がもったいない。凜華の父親役で中村梅雀が出てるんだから、大河ドラマばりにせめて毎週「つづく」って言うサービスがあれば。
※週刊朝日 2017年9月15日号