ビックカメラ池袋本店の炊飯器売り場(写真提供・ビックカメラ)
ビックカメラ池袋本店の炊飯器売り場(写真提供・ビックカメラ)

 深刻な「コメ離れ」が叫ばれる一方、世の中にはブランド米がわんさかと誕生している。 しかし、コメのおいしさは精米や炊き方で、引き出すことも台なしにすることもできるという。そこで、コメをおいしいご飯にする炊飯器を紹介したい。

「アイリスオーヤマ」は、炊飯ジャーとIH調理器に切り離せる炊飯器を発売して話題となり、「日立アプライアンス」は、大火力で加熱のむらをおさえる「超音速打込製法」を採用した「ふっくら御膳」を発売。0.5合からと少量でもおいしく炊け、内釜は軽量で、合数文字の表示も大きく、単身高齢者にはお薦めだ。パナソニックが6月に発売した「Wおどり炊き搭載SR-SPX7シリーズ」は、銘柄に合った炊き方をボタン一つで選べる「銘柄炊き分けコンシェルジュ」機能付き。開発に携わったのは、同社炊飯器調理ソフト課の「ライスレディ」だ。吸水の温度や時間など炊飯のすべての工程で、かける時間や熱量、温度、圧力を検証した。一方、7年前から羽釜とかまどで炊いたおいしいご飯を再現するのは高級炊飯器を販売する象印だ。「せっかく高級炊飯器を買ったのに、今までと変わらない」という声があり、おいしいご飯の炊き方や保存方法が周知されていないことがわかった。そこで、4年前に「ライスマイルプロジェクト」を立ち上げ、コメのとぎ方の映像などを紹介するようになった。

 ビックカメラ新宿西口店家電コーナーの長田智恵さんによると、

「この2年ぐらいは、炊飯器の進化を感じます。確かに、火力が大きい炊飯器はおいしく炊けます」

 一方、火力ではなく蒸気の力だけで炊く炊飯器もあり、これもおいしく炊けるという。保温機能は不要で、毎回炊きたてを食べたいという人向きだ。

 店舗では「バーミキュラ」のライスポット(7万9800円)が売れている。きっかけは2万円超のトースター。「おいしくパンが焼けるなら」と売れに売れた。これを追うようにぶっちぎりに高い炊飯器が売れるようになったという。おいしいご飯のためならば、7万円超の炊飯器でも高くはないか……。

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