フジマキ「資産価格の高騰、バブル期と同じ間違いの危険」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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フジマキ「資産価格の高騰、バブル期と同じ間違いの危険」

連載「虎穴に入らずんばフジマキに聞け」

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リートの物件取得価格の路線価に対する倍率(c)朝日新聞社

リートの物件取得価格の路線価に対する倍率(c)朝日新聞社

 バブル崩壊後に休刊となった「日経リアルエステート」91年1月号に〈ピーク時には(坪)3500万円程度の取引がみられた(東京都千代田区)平河町2丁目(住居地域。容積率400%)あたりも現在は3000万円がせいぜいとの見方が出ている〉との記述がある。「せいぜい」といっても住居地域が坪3千万円だ。

 日銀が異次元の量的緩和を続ければ、バブル再来も否定できない。当コラムで何度も書いたように、バブルの前半、全国消費者物価指数(CPI、除く生鮮食品)は極めて低かった。86~88年は0.5%で、今の日銀の目標の2%より低い。それでも経済は狂乱した。資産を持つ人がお金持ちになった感覚で消費する「資産効果」のせいだ。

 当時の日銀は低いCPIに目を奪われ、株や不動産などの資産価格急騰を見逃した。引き締めが遅れ、バブル崩壊による「失われた30年」をつくりだした。

 今の日銀は当時と同じ間違いをしている。資産価格の動きを見れば、異次元の量的質的緩和を継続するか否かの検討が必要だ。もっとも、やめれば日本はギリシャ化し、政府は資金繰り倒産の危機。始めた以上、撤収には大きな犠牲を強いられる。大きな犠牲を今払うのか、今は波風をたてずに継続して将来大きな犠牲を払うのか。いずれかの決断を迫られる。

 そのためにも、日銀は出口戦略を国民に示すべきだ。撤退できずに補給路が延びきり、撤退時に膨大な犠牲を払った「インパール作戦」再来はまっぴらだ。

 8月15日のNHKスペシャル「戦慄の記録 インパール」を見て、つくづくそう思った。

週刊朝日2017年9月15日号


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藤巻健史

藤巻健史(ふじまき・たけし)/1950年、東京都生まれ。モルガン銀行東京支店長などを務めた。2013年7月の参院選で初当選。主な著書に「吹けば飛ぶよな日本経済」(朝日新聞出版)、新著「日銀破綻」(幻冬舎)も発売中

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