夫:自分は家のことは何もやらないんですよ。でも子どものオムツを替えたりお風呂に入れたりするのはすごく楽しくて大好きでしたね。ウンチが汚いとか思ったことないですから。

妻:美大出身だから、何でもきれいに仕上げるのが好きなのよ(笑)。でもほかのことは頼まなきゃ何にもやってくんない。

さないようにしてるだけ。

妻:夫婦ゲンカはお互い避けるようになりましたね。若いころのようにやり合っても疲れるだけですから。ありがたいのは、彼は、女だからどうしろとか、こうあるべきだっていう価値観が一切ないことです。友だちに、旦那さんが「必ず5品以上料理が並んでいないとイヤだ」と言う人がいて、かわいそうですね。

夫:僕はみそ汁をときどき飲めれば満足(笑)。この人はもともときれい好きで、手料理も何でもおいしい。不満はまったくないんです。それはすごく大きなポイントですね。

妻:家事が上手なのは、料理が得意だった父や、父方の叔母ちゃんたちの影響かもしれません。母は仕事一筋で料理も苦手で、父が亡くなってからは毎日3食外食でしたから。そのせいか、今でも外食が続くと嫌になるんです。簡単なものでも家で作って食べたほうがおいしい。

夫:自分も田舎育ちで、外食するところもないですし、母親の手料理を食べるのが普通でしたから。

妻:私、バブル時代も自炊してましたよ。バブルがはじけた途端、高級ブランドやファッションにも興味なくなりましたし。ダディのほうが仕事柄流行に敏感で、今日のお洋服も買ってくれたんですよ。

夫:年をとってから楽で安い服に流れていくと、見た目もどんどん老けていきますから。お互い無理のない範囲でおしゃれは意識したいですよね。

「夫婦は気が合わなくて当然 美大系夫妻が続く意外な理由」へつづく

週刊朝日 2017年9月8日号より抜粋