閉館日に神田正輝(左)、舘ひろし(右)と会見する石原プロモーションの石原まき子会長=2017年8月31日、小樽市の石原裕次郎記念館(撮影/堀井正明)
閉館日に神田正輝(左)、舘ひろし(右)と会見する石原プロモーションの石原まき子会長=2017年8月31日、小樽市の石原裕次郎記念館(撮影/堀井正明)

 映画、歌、テレビで活躍した昭和の大スターの軌跡を映像や写真などで紹介し、愛車や遺品などを展示してきた北海道小樽市の「石原裕次郎記念館」が8月31日、施設の老朽化などを理由に閉館した。

 52歳で亡くなって4年後の1991年に幼年時代を過ごした「第2の故郷」小樽に開設された記念館は、26年間で延べ2千万人超の動員実績を残した。初代館長を務めた妻・まき子さんは会見で「裕さんの遺品を我が家からもってきて、どちらが我が家かわからないほどだった。ここにくるたびに『ただいま』と言って自分の部屋に入るような思いだった」と記念館への愛着を口にした。愛用品などは今後「全国縦断石原裕次郎遺品展」を開いて展示していくという。

 最終日は大勢のファンがつめかけた。午後6時の閉館後、玄関前に集まったファンらに石原プロモーション会長のまき子さんと舘ひろし、神田正輝があいさつ。まき子さんが「(閉館は)正直に申し上げてとっても苦しく、つらいです。これだけ皆様が愛してくださった裕さん。皆様のおかげで今日まできました。本当にありがとうございました」と締めくくると、大きな拍手の輪が広がった。

 映像や写真で20代の裕次郎の目の輝きを見てファンになったという札幌市の中山真理子さん(57)は「裕次郎さんは人がやらなかったことをやった本物のスター。記念館は何回来てもあきなかった。いつまでもここにあると思っていたので、今も信じられない気持ちです」と話した。(本誌・堀井正明)

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