ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)による炎上被害も深刻だ。異物が混入した食品や、飲食店店員が不衛生な行為におよぶ写真が拡散し、企業が対応に追われるケースが頻発しているのだ。

「企業のネット炎上件数は、15年には1002件にのぼった。昨年は、倒産に追い込まれる企業が増加するなど悪化の一途です」(ネット上のリスクを監視するエルテス社)

 今年春から、損害保険ジャパン日本興亜は、1事例につき1千万円の補償を上限に、「ネット炎上対応費用保険」を販売。保険料は年間50万~100万円だ。

 サイバー攻撃の被害に備えるのが、「サイバーリスク保険」(東京海上日動火災保険)。個人情報漏えいの被害に遭った顧客への対応費用などを補償する。

東京都渋谷区が「同性パートナーシップ条例」を全国に先駆けて施行したのが2年前。アスモ少額短期保険は死亡保険の受取人の範囲を、事実婚やLGBTのパートナーへと拡大した。

「当時、保険業界で、取り組んだのは当社だけ。反響は大きく、当事者の方から『ありがとう』との言葉を頂きました」(同社担当者)

 高齢者の再婚では、事実婚も少なくない。そうした場合も、死亡保険の受取人への指定が可能だ。

 6月、民泊のルールを定めた民泊新法が成立した。民泊専用マンションや仲介サイトも増え、民泊ビジネスが活気づいている。

◆コンテスト発の保険
 日本少額短期保険協会が一般から公募する「おもしろミニ保険コンテスト」。前述した「痴漢冤罪ヘルプコール」や「ペットのお守り」もここから誕生して商品化されたヒット保険だ。

 だが、一般住宅用の家財保険や火災保険ではゲストによる事故や火災は適用されない。ジック少額短期保険が提供する「民泊保険」は、グループ会社が管理する物件で民泊利用による損害を500万円まで補償。この商品もコンテストのアイデアから生まれた。

週刊朝日  2017年9月8日号より抜粋