日本代表のハリルホジッチ監督(c)朝日新聞社
日本代表のハリルホジッチ監督(c)朝日新聞社

 大詰めのサッカーW杯アジア最終予選。グループ首位の日本代表は、8月31日のオーストラリア戦(埼玉)に勝てば、6大会連続で本大会出場が決まる。一方で、引き分け以下だと、出場権の行方は9月5日のサウジアラビア戦(ジッダ)まで持ち越される。

 出場権を争う2位サウジアラビア、3位オーストラリアとの勝ち点差は1。予断を許さない状況だ。ラスト2戦のスケジュールを見ても、日本は最も厳しい。

 対オーストラリア戦は過去のW杯予選で2敗5分けと一度も勝ったことがない。サウジアラビア戦は時差や移動を伴う慣れない環境でのアウェー戦となる。

 その2戦に臨むメンバーが24日発表された。試合に登録可能な23人より4人多い27人。FWは三つのポジションに9人も招集した。ハリルホジッチ監督は「さまざまな困難な状況があり、今までで一番リストを作るのが難しかった」と胸の内を明かした。

 コンディションが心配された主力のMF長谷部誠(33、フランクフルト)、FW本田圭佑(31、パチューカ)、MF香川真司(28、ドルトムント)、FW大迫勇也(27、ケルン)らは、そろって名を連ねた。

 主将の長谷部の復帰は、明るい材料だ。今月に約5カ月ぶりに戦列に戻ると、公式戦に2戦続けて先発出場するなど状態は上向いているという。しかし、本田、香川、大迫は違う。

 本田は今夏メキシコのクラブに移籍後、右ふくらはぎの負傷で約1カ月のリハビリに。これまで1試合に途中出場しただけだ。6月に左肩を脱臼して調整が遅れた香川は、19日のリーグ開幕戦で約5分プレーした程度。7月に右足首のじん帯を痛めた大迫は、20日のリーグ戦でベンチ入りメンバーからも外れた。

 6月のイラク戦では試合中に故障者が出て、戦術的な交代が思うようにできなかった。W杯出場権を争う大事な試合では、そうした不運が致命傷になりかねない。総力戦となれば、主力選手といえども体調万全でない選手をメンバーに入れるリスクは小さくない。

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