「サザエさん」初版が“返品の山”だった意外な理由 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「サザエさん」初版が“返品の山”だった意外な理由

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サザエさん初版の復刻版(撮影/写真部・小山幸佑)

サザエさん初版の復刻版(撮影/写真部・小山幸佑)

 第1巻や現在の単行本は吹き出しの文字がひらがななのに、初版はカタカナという違いもある。そもそも初期の作品は絵柄もずいぶん違い、サザエさんが8頭身でスラリとしている。初期の作品を収めた本は「ニセ本が出回っている」と読者が騒いだくらいだ。

「町子の足跡をたどる意味でも貴重です。福岡の家はすでに取り壊されていますが、漫画に出てくる家の中の様子は自宅を参考にしたのでは。階段のある廊下や玄関、縁側などから間取りが想像できます」(同)

 実は、本だけでなく「かるた」にも注目の復刻版がある。「サザエさんかるた」(赤ちゃんとママ社)。49年ごろに販売されたかるたの復刻で、当時30万個も売れたという。絵札も文字札も書き下ろしだったそうで、思わず、クスリと笑ってしまうようなサザエさんの世界観が札に凝縮されている。

 例えば、「お」の文字札は、「お昼寝の顔に八ひげ」。絵札には、サザエさんの口のまわりにカツオが筆でひげを書いて、舌を出して逃げる様子がユーモラスに描かれてある。色使いは意外にも鮮やかだ。

「特に赤やオレンジなどの暖色系は、蛍光色のような明るい色。それでいて品があり、卓越したセンスを感じます。漫画のモノクロの世界しか知らない人は驚くはず」(同)

 何げない日常の一コマから、長く愛される作品を生み出した長谷川町子。復刻版を手に取れば、その才能を改めて実感することができるだろう。

※週刊朝日臨時増刊号「サザエさん 2017夏」(税込み400円)が発売されました。ご購入は書店、コンビニで。ASAでも注文できます。復刻版についてはカラーページで紹介しています。

週刊朝日 2017年8月18-25日号


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