庄司いずみ(しょうじ・いずみ)/「庄司いずみベジタブル・クッキング・スタジオ」主宰。野菜や豆を使ったヘルシー料理が常に話題に。近著は『野菜のごちそう』(イカロス出版)
庄司いずみ(しょうじ・いずみ)/「庄司いずみベジタブル・クッキング・スタジオ」主宰。野菜や豆を使ったヘルシー料理が常に話題に。近著は『野菜のごちそう』(イカロス出版)

 あまりの蒸し暑さに、食欲もダウンしがちな今日このごろ。酢を使った簡単な常備菜を食事に取り入れて、夏バテしないように心がけよう。夏バテ防止に活躍してくれる酢しょうがを紹介する。

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 野菜料理家・庄司いずみさんが考案した「酢しょうが」は、夏バテ防止の食事作りに大活躍してくれる。

 生姜には、血行をよくして免疫力を高めるジンゲロールという成分(生の生姜に多く含まれている)や、脂肪や糖質の燃焼を促進し、体を温めるショウガオールという成分(加熱した生姜に多く含まれている)がた~っぷり。

「『酢しょうが』はこの生姜と、疲労回復にいいとされている酢を合わせるだけで作れます。塩や砂糖は使いません」(庄司さん)

 生姜を薄切りにし、かぶるくらいの酢に一晩漬けるだけ。酢は米酢以外のものを使ってもかまわない。りんご酢やワインビネガーでもいいし、ちょっとリッチにバルサミコ酢を使って作ってもいい。生姜は一晩酢に漬ければ、辛みがだいぶやわらぐ。薄切りのままで使ってもいいが、千切りや細切りにすれば、ありとあらゆる料理に応用できる。

「この暑い季節にはやはり、酢しょうがも酢しょうがの酢もそうめんに使っていただくのがいいかと思います。酢しょうがは細切りにして、そうめんの薬味に。酢のほうは、めんつゆにちょっと混ぜて。まろやかな酸味が加わるので、すっきりしておいしいですよ。あと酢しょうがをみじん切りにして冷奴にのせてもおいしいです。暑くて何も食べたくないときでも、“酢しょうが奴”ならさっぱりと食べられます」

 また酢しょうがは、炒め物や煮物にも向く。

「加熱すると、酢の酸味がかなり飛ぶんです。なので、酸っぱいものが苦手な方でも無理なく食べられると思いますよ。エビのチリソース炒めなどに使うとおいしいです。生の生姜より酢しょうがを使ったほうが、ソースにちょっとコクが出て、味わい深くなるんです」

 胃腸が疲れているときには、チャーハンや焼きそばに酢しょうがを使うのがおすすめだ。

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