石川氏によると、ローラのようなケースは珍しく、近年はしっかり契約を交わすことが多いという。
「だけど、ギャラが安いといっても、今の地位に売れたときの場合まで想定する契約書なんてありませんからね。タレントが事務所を辞めたいという思いと、うちが売り出してあげたのにという思いは、契約は交わされているけれども、気持ちの上では相容れないものがある。売るためにたくさんの経費を使ってきたのに給料が少ないと言われたら、そりゃもめますよ」
このような契約上のトラブルの背景は、たいてい金銭面によるものが多い。
「仕事がものすごく増えたりしたときに、『あんなに仕事してんのにそれだけしかもらってないの?』と、周りのタレントに言われたり、親が口をはさんだりすることがきっかけだったりします。昔は慣例として表に出なかったものが、タレントも自由になって、いろんな手段で発言権も持てるようになった。だけど、タレントと事務所が最初に契約する時、売れた時、売れなかった時をそれぞれ想定して細かく契約書を作ることはできない。その状況は変わらないので、これからもこういった騒動は出てくると思います」
石川氏は今回の公取の動きは事務所に対してのものなので、タレント個人にはさほど影響は与えないのではとみる。しかし、ローラの独立騒動は、長期化する可能性も高い。
ローラの一連の意味深ツイートの連投は、<リスペクトをしあうことは物凄く大事なことだとおもう>というつぶやきでいったん終了している。
互いのリスペクトの結果、明るく「オッケー!」と言うローラの姿がこれからも見られるだろうか。 (本誌・太田サトル)
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