怖さの質が違う? 春風亭一之輔が考えた「一行怪談」は深いのか (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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怖さの質が違う? 春風亭一之輔が考えた「一行怪談」は深いのか

連載「ああ、それ私よく知ってます。」

春風亭一之輔氏は小さいころ、夏休みには必ず心霊現象や現代の怪談の再現ドラマを家族と見ていたそうだが…(※写真はイメージ)

春風亭一之輔氏は小さいころ、夏休みには必ず心霊現象や現代の怪談の再現ドラマを家族と見ていたそうだが…(※写真はイメージ)

(3)「催促の電話をすると『今、出ました』と言ったのに、40分も待たされ、サービスで餃子を持ってきたことを、喜んでいいのか、怒るべきなのか……」

(4)「『ビール以外の人!』と後輩が聞くので、『ウーロン茶を』と答えると、『ハイですか? ソフトドリンクですか?』と返され、『茶っつってんだろ!』と思ったが、私以外は皆ビールなので、肩身が狭くて我慢した……」

(5)「田舎から親父が出てきて、二人で先方に頭を下げに行くと、おもむろに野菜を取り出した親父に向かって、先方が問いかけてきたので、ボクは『誠意ってなんだろう?』と、思ったわけで……」

(6)「『人という字はぁ、人と人が支えあってできているんですぅ』と、長髪の国語の教師が熱弁を振るっている、ドラマの再放送を、子供のころ夏休みに、よく見た気がする……」

 どうだろう? ひとつの文章につき、50回くらい声に出して読むとだんだんと怖さが染みだしてくる……かもしれない。(5)はちょっと特殊な怖さ。(6)は過ぎ去った少年時代の夏休みへのオマージュ。

 暑さでアタマがくらくらしてきた。夏よ、終われ。

週刊朝日 2017年8月18-25日号


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春風亭一之輔

春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。この連載をまとめた最新エッセイ集『まくらが来りて笛を吹く』が、絶賛発売中

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