急成長した駅で特筆すべきは、JRさいたま新都心。前年比3.5%増の5万人。伸び率でみると、JR東の上位100駅のなかで、大崎に次いで高い。

 国の出先機関などのオフィス街に加え、商業施設「コクーンシティ」、さいたまスーパーアリーナ、医療機関など新施設が次々と生まれてきた。さいたま市内在住の男性(32)は「新都心は常に発展している印象がある」と話す。

 利用客が増えて“流行る”駅が目立つ一方で、減る傾向の駅もある。

 JR八王子は、前年比1.3%減の8.5万人。JR東の上位100駅のなかで、前年割れは渋谷や八王子など6駅だけだった。

 八王子の減少は、大学の都心回帰が影響しているようだ。八王子地区の25の大学などでつくる「大学コンソーシアム八王子」によると、加盟大学の学生数は16年に約9万6千人で、前年から約3千人減った。昨年4月には、市内にあった杏林大学が、都心に近い三鷹市へキャンパスを移した。中央大学も22年までに法学部を都心に移す方針だ。

 八王子から電車で都心方面に約10分、JR立川は対照的に伸びている。16年は前年比1.1%増の16.6万人だった。背景にあるのは、米軍基地跡地の再開発。家具店「イケア立川」が14年に、大型商業施設「ららぽーと立川立飛」が15年末にできた。

「かつて、新宿から中央線特急に乗ると次は八王子でしたが、今は立川にも止まるようになりました。同様に、注目すべき特急停車駅の変化は、小田急のロマンスカーが昨年3月から海老名にも止まるようになったことです」(梅原さん)

 小田急の海老名は、特急停車駅の本厚木から東へ2駅目。JR相模線や相鉄線と乗り換えられて便利なうえ、「ららぽーと」など商業施設もできた。両駅は乗降客がともに15万人前後、電車での所要時間は5分ほどと近い。一方で、乗降客の増減をみると、本厚木が前年比0.7%増に対し、海老名は同3.3%増と勢いが違う。

 商業施設で急発展しているのが、東急田園都市線の二子玉川(ふたこたまがわ)。前年比5.4%増と、東急線の全駅のなかで伸び率が最も高かった。

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