しかし、まずは当面の課題は都政運営だ。

 都議選の圧勝で盤石にみえる都議会でも、火種が山積している。小池シンパとみられ、都知事就任以降、小池氏を支えた音喜多駿や上田令子ら3都議は都議会の主要ポストにいずれも就かず、党や会派の役員からも外れた。

「小池さんが一番頼りにしている野田数・都民ファースト代表は、元みんなの党出身の音喜多さんや民進などからの乗り換え再選組を『信用出来ない』と嫌っています。音喜多氏の不満は爆発寸前です。さらに民進、自民からの再選組も都ファが打ち出した公用車廃止や政務調査費の使途制限強化などは面白くないんです」(都政関係者)。

 さらには都議会の小池独裁化が進むことが火種になる可能性が大だ。

「小池さんが決断した築地の跡地問題は都ファ内部でも政策プロセスが確立してない。乗り換え再選組ともコンセンサスもできていないのに、完全に無視している。小池さんのやり方は自分と政策ブレーンとで全部、決めてしまい、(当選した)55人の手下を従えるという独裁者そのもの。五輪や豊洲という地雷原がまだあるので、そう一足飛びにはいきません。小池氏が側近と独裁政治をやれるのはせいぜい五輪までではないか。都民はドライに見ていますから」(同)

 安倍首相が“お友だち優遇”で失速した同じ轍を踏まないことを祈るばかりだ。(本誌・村上新太郎)

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