ミッツ・マングローブ「J-POPの鉄板項目と最大公約数アーティストは?」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

ミッツ・マングローブ「J-POPの鉄板項目と最大公約数アーティストは?」

連載「アイドルを性せ!」

このエントリーをはてなブックマークに追加
日本人にとって、最も『鉄板』で『どストライク』なアーティストとはいったい誰なのか? (※写真はイメージ)

日本人にとって、最も『鉄板』で『どストライク』なアーティストとはいったい誰なのか? (※写真はイメージ)

 とんでもなく無理難題な気がしますが、ここまでの要素を凝縮すると、『サザン』にたどり着きます。ユーミンや達郎さん、尾崎豊なども思い浮かぶも、現代日本人はどこか【9】コンビ、トリオ以上のグループを好む傾向にある上に、【10】ちょっとしたお笑い・おふざけ的なエッセンスも求めます。そう考えるとサザンの鉄板加減は、昔からずっと磐石なのです。やがて90年代に入り、【11】高音や声量で圧倒するボーカル力の時代が到来します。昔から「キーが低い歌手は売れない」という定説もあるみたいですが、この流れにハマって天下を取ったのが『ドリカム』ではないでしょうか。彼らは【12】難し過ぎないハモリや掛け合いといった、カラオケブームに伴う新需要にも適応しました。しかしながら、ハイトーンボイスの価値は、悲しいかな【13】女性よりも男性のそれの方が高いのが現実。そこをクリアした『B’z』は、ロック系はもちろん、実はダンス系ポップスの進化にも大いなる貢献をしたグループですし、【14】適度に哲学的なものをちりばめるというメソッドを、見事『売れ線』にメジャー化させたバンドとして、『ミスチル』の存在も大きいと言えるでしょう。他にも、15.ギターまたはピアノ一本でも完結できる(路上・アコースティック感)、【16】アイドル的ルックス、または佇まいの人がいる、【17】自分で作詞・作曲をするといった『鉄板項目』があるのですが、これらをもとに算出していくと、最終的に『チャゲアス』と『アルフィー』という解(かい)が導き出され愕然とします。と同時に必要不可欠な要素を忘れていたことに気付きました。【18】程よい若さと健全さ。できればNHK的な健全さだとモアベターです。

 これで答えは出ました。『ゆず』です。なるほど。どうりで、どこで観てもしっくりくるはずだ。Mステだろうと紅白だろうとオリンピックだろうとヒルナンデス!だろうと。あとは日本の伝統文化でもある【19】ヤンキー的な耽美を身につけ、踊りながら英語で歌えば天下統一です。彼らなら出来る。すでにセカオワっぽい不思議の国系スタイルを打ち出している姿を、私は知っています。いっそ化粧も!

週刊朝日 2017年8月11日号


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい