林:純文学を読んでるのかと思った。

川谷:ハードボイルドストーリーしか基本読まないです。

林:誰の本を読むんですか。

川谷:大沢在昌さんの『新宿鮫』シリーズとかですね。

林:大沢さんに会ったことは?

川谷:ないんです。

林:作家で会った人って誰ですか。

川谷:誰にも会ったことないです。

林:じゃ、私が初めて?

川谷:そうです。

林:光栄です。大沢さん、一度会ってみるといいかも。お酒飲みます?

川谷:飲みます。

林:今、文壇があるとしたら、それをリードしてる遊び人の2人が大沢さんと北方謙三さん。いつもバーやクラブに行ってるから、連れてってもらったらいいですよ。「おい、川谷」とか言って連れ回しそう。

川谷:深酒は苦手で……(笑)。それに僕、はっきり意見を言ってしまう性格でして……(笑)。異ジャンルの方は、音楽に対してわりと率直にパコンと意見をくださるから、つい熱くなってしまうことがあるんです(笑)。

林:音楽を知らない人にグチャグチャ言われるのイヤだとか?

川谷:意見は参考になるのでありがたいですが、1%でもウソが入っていると拒否反応が出ちゃうんです。音楽に興味がなくても純粋な人の話はちゃんと聞くんですが、1%のウソが入ってもすぐわかるんで。

週刊朝日 017年8月11日号より抜粋