西郷隆盛も? 帯津良一が説く「心の養生」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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西郷隆盛も? 帯津良一が説く「心の養生」

連載「貝原益軒 養生訓」

西郷さんも養生の術を学んでいた?(※写真はイメージ)

西郷さんも養生の術を学んでいた?(※写真はイメージ)

 これを読んだとき、暢情志(心をのびやかにする)という言葉が印象に残りました。益軒も同じことを言っているのでしょう。

 西郷隆盛が愛読していたという佐藤一斎の言志四録のひとつ『言志耋(てつ)録』に次なる一文があります。

 心志を養うは養の最(さい)なり。
 体躯を養うは養の中(ちゅう)なり。
 口腹を養うは養の下(げ)なり。

「心気」ではなく「心志」と「志」が加わった分、一歩踏み込んだ心の養生になっています。

 私が長年続けている太極拳では調身、調息、調心ということを大事にしています。調身とは姿勢を正すことで、基本は上半身の力が抜け、下半身に気がみなぎった「上虚下実(じょうきょかじつ)」の状態です。調息は呼吸を整えることで、深く長い呼気を心がけます。調心は心を整えることで、まさに心気を養っている状態といえます。

 この調身、調息、調心は三位一体の関係にあって、心に気がかりなことがあると調心に翳(かげ)りが生じ、調身、調息もうまくいきません。逆に調身、調息を進めることによって、調心が深まるのです。

 これは太極拳に限らず、気功全般に言えることです。座禅やヨガ、瞑想も調身、調息、調心の三位一体の関係によって成り立っています。いずれも心の養生の術といっていいでしょう。

●=にんべんに「尓」、その下に「心」

週刊朝日  2017年8月11日号


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帯津良一

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

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