“家業に励む”が養生の道 帯津良一が両親から学んだこと (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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“家業に励む”が養生の道 帯津良一が両親から学んだこと

連載「貝原益軒 養生訓」

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週刊朝日#健康
「家業に励みなさい」という言葉に含まれている意味とは?(※写真はイメージです)

「家業に励みなさい」という言葉に含まれている意味とは?(※写真はイメージです)

 私の生家は埼玉県川越市内の繁華街で玩具商を営んでいました。両親ともに店先でよく働いているのを、子どもの頃から見て育ちました。父親の方はカメラや謡曲の趣味があって、家を空けることもたまにありましたが、母親はまったくの年中無休。年に1回だけ、人形の仕入れのために県外に出かけることを除けば、店を離れたことは生涯一度たりともなかったのではないでしょうか。

 まさに家業に励んでいた二人はそのお陰か、父親は89歳、母親は81歳で亡くなるまで、病に臥(ふ)せる姿を見せませんでした。

 私は長男ですが、家業を継ぎませんでした。子どもの頃から人と話をするのが苦手で、とても客商売はできないと思ったのです。

 そんな私がこれはいい、と思ったのが医者でした。あまり体が丈夫でなくて、よく医者のところに連れていかれたのですが、この主治医が患者に対してまったくしゃべらないんです。ただ聴診器をあてるだけ。昔はそんな医者が結構いたんですね。それを見て、これはいいと、医者を目指したのですから、困ったものです(笑)。

 家は継ぎませんでしたが、両親の仕事への姿勢は継いだと思っています。私も汗水たらして働くのが大好きなんです。しかも、年中無休で。だから、盆や正月は好きになれません。

週刊朝日 2017年8月4日号


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帯津良一

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など多数の著書がある

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