小学生男子の快挙、宮里藍(32)の最後の全米女子オープンなど様々な出来事があった近頃の日本ゴルフ界。丸山茂樹氏はこういう。

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 アメリカのカリフォルニア州であった「IMGA世界ジュニアゴルフ選手権」6歳以下男子の部で、須藤樹(いつき)君が優勝しました!

 須藤君は5月の「丸山茂樹ジュニアファンデーション親子ショートコースゴルフ大会inハイランドセンター」に参加してくれて、小学1年生の部で優勝してたんです。そのときに見て「上手だなあ~」と思ったのをよく覚えてますよ。

 過去にも金田久美子ちゃん(27)が8歳のときに10歳以下女子の部で勝って、タイガー・ウッズ(41)に並ぶ記録と騒がれたように、小学生の年代は日本の子たちが結構優勝してるんですよね。

 須藤君が世界一になったのは、そりゃもううれしいですね。彼みたいな子がマルジュニアに参加してくれて、ほんとありがたいですよ。マルジュニアで一緒にプレーした子たちにも、「あのとき一緒に回った須藤君だ」ってことで、すごく刺激になるでしょうからね。

 さて「全米女子オープン」(7月13~16日、米ニュージャージー州ベッドミンスターのトランプナショナルGC)に出場した宮里藍ちゃんは、しっかり予選を突破して通算4オーバーの41位でした。

 今シーズン限りでの引退を表明してますから、これが最後の全米女子オープンになります。藍ちゃんは中学校のときに、この試合で勝つという目標を立てて、いままでゴルフを続けてきたんですよね。11回挑戦して優勝には届きませんでしたけど、米女子ツアーで9勝してますからね。これはもう、メジャーに勝つのとそんなに変わらないものを手にしてきてると思いますよ。

 最後に優勝できりゃ最高にドラマチックですけど、そんなに簡単じゃない。それは藍ちゃんが一番よく知ってるでしょう。残りの試合も結果うんぬんじゃなく、藍ちゃんらしく戦い抜いてほしいです。

 
 全米女子オープンでは、川岸史果ちゃん(22)のキャディーをお父さんの良兼さん(50)が務められました。川岸先輩がバッグを担いだのは日大時代以来30年ぶりだとか。父娘タッグ実現も、予選突破はかないませんでした。

 まあ、僕だったらやらないですね。子どもの試合を目の前で見ると、ほんとに疲れちゃうんです。極力見ないですね。アマチュアだったら、まだいいですけど、プロだと嫌ですね。ある程度展開が見えてくるじゃないですか。「このパターンになったら、もうダメだな」とか。それが嫌なんですよ。ゴルフって、起死回生がほとんどないんです。だから展開が見えたら、大きく違わない。だから嫌なんですよねえ。

 さて男子の「全英オープン」(7月20~23日、英国中西部のロイヤルバークデールGC)は、締め切りの関係で、来週号で詳しくお伝えします。僕自身も経験がありますけど、全英オープンはほんとに天気が荒れやすくてね。ラッキー、アンラッキーがかなりあるんです。ビックリするような嵐になって、「中断してくれよ」と思っても続行で。前日は5番アイアンで打ってたショートホールで、ドライバーでもグリーンに届かなかったことがありました。それも含めて全英オープンなんですよね。

週刊朝日  2017年8月4日号

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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