女性ホルモンの低下は、閉経に向かって起こる。そして女性ホルモンの低下は、膣内のうるおいの低下や膣萎縮を引き起こす。

「膣内がそのように変化してくれば、セックスのときに“性交痛”が起きるのはあたりまえのことです」

 と、医療ジャーナリストの増田美加さん。女性の閉経年齢の中央値は50・5歳。閉経すると女性ホルモンはまたガクッと減り、膣内はますますかたくなる。

「そうするともっと性交痛はひどくなる。そこで痛みを改善するために、膣内にレーザーをあてて膣を若返らせる治療をする女性たちもいま増えているのです」

 東京・銀座にある美容婦人科・美容外科「なおえビューティークリニック」は、そんな女性たちの駆け込み寺だ。

 喜田直江院長はこう話す。

「最近は70代の女性も相談に来られます。10~20年ぶりに性交渉をする。すると自分では30~40代のころと同じようにセックスできると思っていたのに、痛くてできない、入らない。いったい私の体はどうなってしまったんだろうと、びっくりしてここに来られる方が非常に多いのです」

 膣には弾力をもたせることが大事だ。

「膣も肌と同じでコラーゲンが減って弾力がなくなってきています。ですから膣の壁全部にレーザーを照射してコラーゲンを増やしていくのです。レーザーを当てることで膣の壁が生まれ変わるんですね」(喜田院長)

 50~60代の女性におすすめなのは、なんといっても炭酸ガスレーザーだ。

「膣内のうるおいというのは、膣内の毛細血管から出てくるんです。ですから炭酸ガスで血行をよくして、膣内のうるおいもアップさせるわけです」

 料金はかなり高額なのではないのか。同クリニックでは「エッジワン」という炭酸ガスレーザー施術の初回料金は10万円。2回目以降は8万円だという。

「1カ月ごとに2、3回照射し、その後は半年~1年に1回くらいの割合で照射するといいです」

 レーザー治療を受けるほどではないにしても、どんな女性も膣のうるおい低下や萎縮は起きる。

 日本家族計画協会理事長の北村邦夫さんは言う。

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