そして今の貯蓄額、家計状況を整理する。

「今の貯蓄額、そしてローンなどの借金額を書き出しましょう。その後1カ月あたりの収入(手取り)、支出を書き出します。支出の内訳は12項目くらいに分けて計算するといいですね。いったい何にお金を使いがちなのか、家計の現状がはっきり見えてきますから」

 住居費(家賃・住宅ローン)、食費、水道光熱費、通信費(スマホ料金等)、生命保険料、生活日用品費、教育費、交通費、被服費、交際費、娯楽費、その他(医療費等)。この12項目の1カ月あたりの支出をそれぞれ書き出し、支出合計を計算する。そして1カ月あたりの収入から支出を引いてみよう。赤字の家庭は要反省!

「子どもの教育費がかかるうちはなかなかお金も貯まりにくい。でも理想は毎月手取りの16.7%を貯金に回すことです。そして私は家計相談に来られる皆さんにお伝えしているのですが、貯金の最初の目標は月収の7.5カ月分と心得てください。使うための貯金(1.5カ月分)と、万が一収入が途絶えても当面生活できる生活防衛資金としての貯金(6カ月分)の合計です」

 そして7.5カ月分の貯金ができたら始めてほしいのが、「3000円投資」だと横山さんは言う。

「今の時代、普通預金に預けているだけではお金は増えません。ですからきちんと貯金をしながら、月々3千円という無理のない金額で投資を始めることをおすすめします」

 口座開設はネット証券がいい。

「自宅で手軽に申し込みができますし、少額投資から始めたい人に向いています」

 最初はバランス型投資信託から。

「私が特におすすめなのは『世界経済インデックスファンド』(三井住友トラスト・アセットマネジメント)です。そして『eMAXISバランス(8資産均等型)』(三菱UFJ国際投信)。これらは手数料が比較的安く魅力的です。

 投資額を増やすのは、慣れてきてからでいいのです。リスクを抑え、今あるお金を守りながら貯蓄を増やす。これが私のテクニックです」

週刊朝日  2017年8月4日号