東尾修がクローザーに求めるもの「悔いる球は一つもない」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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東尾修がクローザーに求めるもの「悔いる球は一つもない」

連載「ときどきビーンボール」

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週刊朝日
先発向きのヤクルト小川が抑えに回るとは……(c)朝日新聞社

先発向きのヤクルト小川が抑えに回るとは……(c)朝日新聞社

 西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏が、2軍選手の才能を伸ばす方法を考える。

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 チーム作りにおいて、エースと4番がクローズアップされるが、年間を通して安定して戦うにはクローザーの存在は不可欠だ。パ・リーグの首位争いを演じる楽天には松井裕樹、ソフトバンクにはサファテという絶対的な守護神がいる。

 今の野球は打者のレベルが向上しているから、九回の三つのアウトをしっかり取ってくれるクローザーはとりわけ重要。まず、クローザーの資質として、直球で空振りを取れなければ駄目だ。いくら変化球が良くてもね。クローザーが出てくることは、相手チームからすれば負けている展開。打者はダメもとで狙い球やコースを絞ってくる。それでも抑え込まなきゃいけない。これは、その試合の中で何度も対戦のある先発投手とは大きく異なる。

 ヤクルトがエース右腕の小川泰弘を守護神にした。故障明けという状況に加え、抑えの秋吉亮が負傷したから、守護神の大役が回ってきた。首脳陣は当初、小川に七回や八回を任せる予定だったと聞くから、多少は目をつむる必要があるが、広島に九回に5点差を逆転される試合もあり、苦しんでいる。

 速球も150キロを超えるわけではなく、故障明けで空振りを取れるスピンの利いた球も期待はできない。先発の時は直球だけでなく、カットボールの細かい変化や、スライダーやフォークボールで打ち取る投手だが、クローザーには使っていい球種とそうでないものがある。例えば、カットボールは相手の打ち損じを待つが、間違えれば一発につながる。スライダーも縦の変化ならいいが、横に曲がる変化なら、高めに浮けば長打になる。つまり「バットの芯を外す」のが先発投手なら、クローザーは「バットに当てない」意識が大事になる。

 直球で空振りやファウルを打たせ、フォークボールで三振を狙う単純な攻めでねじ伏せることが大切だ。先発ならソロアーチを打たれても、七、八回まで投げれば合格。クローザーは1点も与えてはならないし、次の試合に向けて準備することを考えれば、球数も少ないほうがいい。先発とは違った思考が求められる。


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