白澤さんが毎日食す「腸の若返りランチ」がある。

 それは具だくさんの炊き込み玄米と、具だくさんの納豆と、ゆで玉子だ。

「腸内環境を整えるためには、この組み合わせがベストです。僕はクリニックでの昼ごはんは絶対にこのメニューですよ」

 白澤さんは玄米に雑穀、黒豆、バター、塩、黒胡椒、数の子、干し椎茸を入れて玄米専用の炊飯器で炊く。

「玄米は精製した白米よりもビタミン、ミネラル、食物繊維などが多く栄養価が高いんです。そこにたっぷり具材を入れて炊き込みごはんにするので、僕は昼ごはんに食べるのは50グラムで十分。数の子を入れると必ず噛むでしょう? “噛む”という行為は老化防止につながりますから、数の子も実は大事です」

 そしておかずには、これまた具だくさんな納豆を。「納豆に生姜昆布、キムチ、大根おろしを混ぜるんです。納豆には血栓を予防し、整腸作用もある『ナットウキナーゼ』という酵素が含まれています。そこに体の基礎代謝を上げるヨウ素(ヨード)を補うために生姜昆布を、腸に乳酸菌を届けるためにキムチを、消化を助け胃腸を守るために大根おろしを混ぜるのです」

 ゆで玉子も絶対に欠かさない。

「卵=コレステロール=健康によくないという認識を持っていらっしゃる方がいるかもしれませんが、それは大きな誤解です」

 コレステロールの約8割は体内で合成される。食事に影響されるのは残りの約2割。だから卵を食べることがコレステロールの過剰摂取につながる……などということはあり得ないのだ。

「逆にコレステロールを控える食事は、認知症の増加を招く危険な食事です。認知症予防には1日1個以上の卵、と心得ていただきたいですね」

 卵白にはリゾチームという酵素の一種が含まれている。リゾチームは細菌の細胞壁を溶かして殺し、細菌から体を守り、免疫力を高めてくれる作用がある。

「卵でも免疫力を上げて、より元気な腸を守っていきましょう」

 健康で若々しい体は日々の努力から、なのである。

週刊朝日 2017年7月28日号