フジマキ「世界的な金利上昇、でも日銀は泥沼に足」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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フジマキ「世界的な金利上昇、でも日銀は泥沼に足」

連載「虎穴に入らずんばフジマキに聞け」

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欧米の長期金利が上昇している(週刊朝日 2017年7月28日号より)

欧米の長期金利が上昇している(週刊朝日 2017年7月28日号より)

 日銀は国債の年間発行額約150兆円のうち約120兆円を買う。8割も買えば、国債市場でもサンマ市場でも短期的に値段を高めにできる。それで、「日銀はサンマ市場をコントロールできる」と言えるか?

 8割も買い占めたサンマを売りさばく能力がなければ、サンマは倉庫内で腐って異臭を放ち、小売価格は暴騰する。一方で、一度に大量売却すれば価格は暴落する。国債だって同じだ。

 米国債の発行額の1割しか買っていない米FRB(連邦準備制度理事会)でさえ、バランスシート(BS)拡大の程度を小さくする「テーパリング」後、BS縮小に極めて慎重だ。購入額減少が大混乱を起こすことを懸念するからだ。

 8割も買う日銀はBS縮小どころか、テーパリングの開始宣言さえ不可能だろう。FRBがこわごわでもBSを縮小し始めるのに対し、日銀はBSの拡大を止められない。FRBがばらまいた紙幣の回収に入る一方で、日銀は今後もばらまき続けるということだ。

 日銀は他の中央銀行と異なり、短期も長期も金利の引き上げ手段を失った。最後尾を走ることさえできないと私が言う理由だ。一度インフレが始まれば、止める方法はない。ブレーキがないのだから。おお怖い。

週刊朝日 2017年7月28日号


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藤巻健史

藤巻健史(ふじまき・たけし)/1950年、東京都生まれ。モルガン銀行東京支店長などを務めた。2013年7月の参院選で初当選。主な著書に「吹けば飛ぶよな日本経済」(朝日新聞出版)、新著「日銀破綻」(幻冬舎)も発売中

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