身内からの思わぬ攻撃に対応を迫られる蓮舫氏(c)朝日新聞社
身内からの思わぬ攻撃に対応を迫られる蓮舫氏(c)朝日新聞社

 安倍政権の支持率急落で勢いづく野党。ところが、民進党では“お家芸”の内紛が始まっている。

 きっかけは、7月9日に今井雅人衆院議員(民進党)が、民進党が東京都議選で過去最低の5議席しか獲得できなかった総括として「蓮舫代表の二重国籍問題を解決すること」とツイッターに投稿したことだ。11日に開かれた党の会議でも、出席議員から同様の意見が出たという。

 追い詰められた蓮舫氏が戸籍謄本の公開に言及したことで、今度は党外から批判が噴出した。

 人気ロックバンド「アジアン・カンフー・ジェネレーション」のボーカルの後藤正文さんは「ある種の差別を補完する可能性もある」「こういう感じだから、支持が集まらない」と批判。共産党の小池晃書記局長は「お父さんが外国人であったことで蓮舫代表を攻撃するのはおかしい」と話す。

 そもそも蓮舫氏は、二重国籍状態が続いたことはすでに認めていて、昨年9月に台湾籍の離脱も完了し、その経緯も説明している。

 日本の国籍法で母親の日本国籍を選択できるようになったのは1985年なので、67年生まれの蓮舫氏は、それまで父親と同じ台湾籍しか持てなかった。国籍法の改正を受けて、蓮舫氏は85年1月に日本国籍を取得。その際には家族内で議論もあったが、「日本に住んでいる以上、選挙権のある日本国籍を選ぶよう、父親から勧められた」(民進党関係者)という。

次のページ