あまりないです。周りの方がいろいろ言ってくださることで、成り立ってしまうから不思議です(笑)。本人は何にも考えてないのに。

──20年前、今の自身の姿を想像できましたか?

 できませんでした。当時は38歳の男を“アイドル”って呼ぶ感覚はなかったじゃないですか。だから自分も、30歳くらいでやめているのかと思いましたね。

──普通のアイドルはプロデュースされる側ですが、KinKi Kidsは早い段階から制作に関わって自分たちでプロデュースをしてきました。

 そういう役割を頂いていたのは事実ですね。ジャニー(喜多川)さんがそういうふうにしてくれたので。もちろん周りの方の力も大きいですが、現場でものを作っていくのは楽しいですね。言われたことをやるだけだと、つまらないですから。僕は昔、ジャニーさんに「ミュージカルやりなさい」って言われて、断ったんです。同じことを毎日やる能力がなくて、稽古で飽きてしまう。でもその1年後に「音楽やりなさい」って言われて、音楽をやった。曲作りって陶芸をするような感覚というか。自分自身と向き合って作った曲を、たまたまいいと言ってくれる人がいたらうれしいなという、そういう作り方をしています。

──改めて、今の気持ちや抱負をお願いします。

 20周年はお祝いしてもらうものではなくて、僕らが周りの方に感謝の気持ちを伝える機会だと思っています。これからもいろんな人と出会って、その出会いが反映されるようなものを作っていきたいです。

週刊朝日 2017年7月21日号