2014年のNHK紅白歌合戦では大トリを務めた松田聖子さん (c)朝日新聞社
2014年のNHK紅白歌合戦では大トリを務めた松田聖子さん (c)朝日新聞社

「武道館じゅうが、『え~っ』というどよめきとともに、しばらくザワザワしていました」

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 7月8日、9日に開催された、毎年恒例の松田聖子の武道館コンサート。その初日に会場にいた、都内の20代の女性会社員は言う。「不慮の事故のため演出を変更する」というアナウンスが開演前に流れたのだ。コンサートの幕が上がると、松田聖子が椅子に座った状態で登場し、そのまま歌い始めたという。

 聖子は数曲歌った後で、公演の少し前に転んで背中と腰を強打したと語った。

「けがを笑いに変えるような話し方で、会場全体もあたたかい雰囲気になりました。移動は男性ダンサーに抱えられてという状態でしたが、座ったままでもアイドルを体現していたように感じました」(女性会社員)

 着席したままでも、日ごろと変わらぬキャンディボイスで、武道館いっぱいのファンを魅了したようだ。芸能評論家の三杉武さんは言う。

「初めて来た人も、長年のファンも、いつも飽きさせないよう工夫されているのが聖子さんのステージ。こんな時でもステージに立つというのが彼女らしい。紅白の大トリの時などもそうですが、何をしても話題になる、聖子ここにありといった感じです」

 デビュー当時から大ファンのホラー漫画家・山咲トオルさんはこうたたえる。

「さすがです。コンサートに行った友人によると、終演後にファンが『やっぱり聖子って最高』『ファンでよかった』と口々に言っていた。奇跡的なコンサートだったということで、とても盛り上がったようです」

 山咲さんは、プロ意識の高さはアーティストの中でもダントツだと評価する。

「2日目のアンコールが終わったときに、号泣されたと聞きました。普通なら公演中止になる事態で、申し訳ない気持ちと不安な気持ちでいっぱいで、それを乗り切ったからではないでしょうか。まずはファンのことを考え、そしてスタッフや周囲の方がいるから自分があると感謝する聖子さんらしいと思いました」

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