この夏、そうめんにとって画期的な出来事が相次いでいます。そうめん発祥の地と言われる桜井市は、7月7日の「そうめんの日」に、そうめんの普及・促進を目的とした日本初の「そうめん条例(桜井市三輪素麺の普及の促進に関する条例)」を施行しました。

「三輪そうめんの消費拡大を後押ししたいのはもちろん、これをきっかけに手延べそうめんの魅力を広く知ってもらいたいと考えています。各地にできている『日本酒で乾杯条例』のように、いろんな産地が『そうめん条例』を制定して、いっしょに盛り上げていけたらいいですね」

 とは、条例の提案者のひとりである大西亘市議。

 全国に店舗展開する東急ハンズでは、初の試みとして「究極のそうめん道」を7月14日まで約40店で開催中。全国の産地からよりすぐった麺やつゆ、オリーブオイル、そうめんグッズなどがずらりと並んでいます。

 ローソンストア100も、そうめんの特設売り場を大々的に展開。うどんチェーンの「はなまるうどん」では、特別メニューの「うどん県のそうめん」が好評を博しています。

 本場の小豆島そうめんが食べられる東京・高田馬場の居酒屋「小豆島 大儀」でも、今年は手延べそうめんを目当てにしたお客が増えているとか。〆にぴったりなのが「おろしぶっかけそうめん」や「梅こんぶそうめん」(ともに750円)。コラーゲンたっぷりの「鶏そうめん」(1280円)は女性に人気です。

 手延べそうめんのトップシェアを誇る「揖保乃糸(いぼのいと)」。兵庫県手延素麺協同組合営業部の池上靖明課長はこう言います。

「最近注目されているのが、そうめんのお弁当です。暑い日でもツルツル入るし、手延べそうめんなら時間がたっても茹(ゆ)でのびしづらい。当組合としても、新しいメニューをどんどん提案するなどして、若い人たちに手延べそうめんの良さ、伝統を口にする素晴らしさを伝えていきたいですね」

 なんだか元気いっぱいのそうめんですが、生産量はじつは減少傾向にあります。主な原因は、お中元の習慣が下火になったこと。

 ソーメン二郎さんが、熱く語ります。

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