鈴木おさむ「藤井フィーバーで心が折れた同学年たちよ、焦るな」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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鈴木おさむ「藤井フィーバーで心が折れた同学年たちよ、焦るな」

連載「1970年生まれの団ジュニたちへ」

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鈴木おさむ/放送作家。1972年生まれ。高校時代に放送作家を志し、19歳で放送作家デビュー。多数の人気バラエティーの構成を手掛けるほか、映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍

鈴木おさむ/放送作家。1972年生まれ。高校時代に放送作家を志し、19歳で放送作家デビュー。多数の人気バラエティーの構成を手掛けるほか、映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍

 放送作家・鈴木おさむ氏の『週刊朝日』新連載、『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は「同学年のスター」をテーマに送る。

*  *  *
 時として若き天才は全国の同じ年の若者たちを苦しめる。僕ら団塊ジュニア世代のスターの一人に貴乃花がいる。貴乃花は1972年生まれで僕と同学年。

 中学くらいになると、同じ年のジャニーズのアイドルが現れ始めます。自分が好きな女の子が自分と同じ年の男性アイドルが格好いいとか教室で話し始める。その男性アイドルに小さな嫉妬心を抱いたりして、ついバカにしてしまう。これって男子にとってはあるあるです。ただ、ジャニーズはまだ良かった。

 貴乃花が相撲界に入り、活躍し始めたとき。全国の1972年生まれの男子たちがちょっと焦っただろう。腕っ節一つでぐいぐい出世して、日本にブームを巻き起こしてしまうのだから。そういうとき、親や近所のおばちゃんが「貴乃花、すごいね」なんて言おうものなら、なんだか自分を否定されてるような気持ちになってしまう。そして勝手に焦る。

 自分と同じ年の天才が出てくることは、結構迷惑だったりする。

 水泳・岩崎恭子さんが14歳でオリンピックの金メダルを取ったとき。岩崎恭子フィーバーのように見えたが、おそらく同学年の人たちからしたらいい迷惑だったろう。しかも、同じ学年で水泳をやってる女子だったら、あれで心が折れた人も少なくないはずじゃないか。

 そして、将棋界のスター、藤井聡太君である。去年の自分に「来年、日本は将棋ブームが来るよ」と教えてあげても「嘘つけ!!」と言うだろう。

 29で連勝は止まったが、それでも日本は藤井フィーバーだ。これもおそらく、彼と同じ年の少年からしたら、嫉妬の対象であろう。お母さんが「藤井君はすごいね」なんて言ったら、「俺がダメって意味?」みたいな感じで気持ちがねじれていく。だけど、そういうねじれも大人になっていく上で大事な経験なのだが。


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