「蒲生副会長と事務局長はそもそも、組織というものを理解していない。一つの問題というより、いろいろなことが積み重なっての解任要求なんです」と別の関係者は語る。「渡辺会長の知らないところで、欧州の国々の協会と友好関係を結ぶ証書を交わしたり、会長に印を押してもらうことなく、稟議(りんぎ)書を回したり……」と、両氏への不信感をぶちまけた。

「そしてもう一つ」と、その関係者は、ほかにも重大な問題があると指摘する。

 あるハンドボール強豪高校の指導者が、控え選手の親から「子どもがパワハラを受けた」と、協会に通報されたことに絡む対応だ。

 報告を受けた蒲生副会長は協会の倫理委員長も兼ねている。ところが、「パワハラはしていない」という指導者当人や保護者会、生徒たちの訴えにはほとんど耳を貸さず、その指導者に「このことは誰にも言うな」「これ以上動いたら、大変なことになる」などと、言動を制限した上で、一方的に3カ月の資格停止処分を下した、というのだ。「この指導者は、スポーツ仲裁裁判所に、処分を不服として、7月5日付で申し立てをしています」(関係者)

 8日、蒲生副会長に、改めて記者が取材した。パワハラの通報については「白を黒にはしていない」と言い、「通報者も当該の指導者もハンドボールを愛する人たち。個人的には両方守りたい。丁寧に対応したい。これでかんべんしてほしい」と疲れ切った表情で話した。

 ただ、数日前には別の記者にこう語っていた。

「今、騒いでいる人たちは、役員を外れる人たち。あの時点で言わないと、新役員を決められて任期満了になっちゃうから騒いだ。これは反乱なんです」

 ある重鎮の理事会メンバーは言った。

「みんなの知恵と意思と行動を結集しないと、弱小団体はまとまらない。協会はいったん、解体して、新生ハンドボール協会として出直したほうがいい」

週刊朝日  2017年7月21日号