おにぎり1個とオリーブ油を加えた場合の食後血糖値の変化(週刊朝日 2017年7月14日号より)
おにぎり1個とオリーブ油を加えた場合の食後血糖値の変化(週刊朝日 2017年7月14日号より)

 糖質制限ダイエットが流行して久しいが、ご飯や麺などの主食を減らすのは正直ツライ。挑戦したものの、挫折してしまった人も多いだろう。しかし、糖質を我慢しなくていい食べ方があるとしたら? 「足し算食べ」「後食べ」という新しい食べ方を紹介しよう。

 最近、スーパーや飲食店で「ロカボ」という言葉を目にすることが増えた。ロカボとはローカーボ、つまり「低糖質」のこと。「糖質制限ダイエット」の人気がうかがえるが、はたして糖質制限にはそれほど効果があるのか? 糖尿病専門医の牧田善二先生(AGE牧田クリニック院長)は言う。

「糖質を制限すれば、確実にやせられます。ただし、少し制限するくらいでは効果が出にくい。糖質は優先的にエネルギーに変えられるので、相当厳しく制限しなければ体脂肪が消費されるまでには至りません」

 管理栄養士の足立香代子先生(臨床栄養実践協会理事長)の考えはこうだ。

「確かに糖質制限は短期間で減量効果が表れますが、長期的に見ればリバウンドする可能性が高いと言えます。なぜなら、糖質を我慢するのはとても困難だからです」

 その事実を明らかにしたのは、低糖質食・低脂肪食・地中海食の減量効果を比較した研究だ(DIRECT研究、「The New England Journal of Medicine」2008)。対象者を3群に分けて、それぞれの減量食を2年間継続したところ、減量効果は低糖質食群がトップだった。しかし、4年後の追跡調査では、同じ群のリバウンド数値が最大だったのだ。

「糖質を減らすと満足感を得られないので、結局どこかで食べすぎてしまい、リバウンドしたのだと考えられます」(足立先生)

 先の牧田先生はこう言う。

「糖質には、たばこと同じように中毒性があります。糖尿病の患者さんならともかく、そうでない人は、糖質をやめたくてもなかなかやめられません」

 確かに、肉や揚げ物などをカットすることはできても、ご飯やパン、麺類を食べないのは相当厳しい。空腹のときは特に、ステーキや唐揚げよりも、おにぎりやラーメン、あるいは甘い物をがっつきたくなるもの。あの狂おしいほどの炭水化物への欲求は、糖質中毒だからというわけだ。

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