田原総一朗「ビジョンなき都民ファーストを助けた安倍首相の『大失言』」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「ビジョンなき都民ファーストを助けた安倍首相の『大失言』」

連載「ギロン堂」

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都議選前に自民党が次々と失態をおかしたことの理由とは? (※写真はイメージ)

都議選前に自民党が次々と失態をおかしたことの理由とは? (※写真はイメージ)

 だが、27日にテレビ朝日「報道ステーション」の取材に応じた日本獣医師会顧問の北村直人氏は、「獣医師会としては、1校に限定してほしい、などとは言っていない」と明言した。それに、安倍首相がもし本気で「2校でも3校でも意欲があれば新設を認める」と考えていたのなら、なぜ、国家戦略特区諮問会議の冒頭で、そのことを言わなかったのか。

 政府が定めた特区の基本方針では、特区での規制緩和について「実施状況の評価に基づき、その成果を全国に広げていく」と定めている。だが、今治の新学部は授業さえ始まっておらず、成果など評価のしようもない。首相自身が基本方針を破るような発言をするとは、どういうことなのか。これでは首相がちゃぶ台をひっくり返したと判断するしかなく、多くの都民は強い反発を覚える。

 さらに、27日には稲田朋美防衛相が都議候補の集会で「ぜひ当選、お願いしたい。防衛省、自衛隊、防衛相、自民党としてもお願いしたい」と呼びかけた。これを野党が「自衛隊の政治利用」であり「行政の中立性を逸脱している」と猛然と批判し、自民党内にも批判の声が多い。なぜ、首相も防衛相も、この時期に都民の反発を招く言動を繰り返したのか。どうにも理解できない。

週刊朝日 2017年7月14日号


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田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

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