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田原総一朗「ビジョンなき都民ファーストを助けた安倍首相の『大失言』」

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都議選前に自民党が次々と失態をおかしたことの理由とは? (※写真はイメージ)

都議選前に自民党が次々と失態をおかしたことの理由とは? (※写真はイメージ)

 ジャーナリストの田原総一朗氏は、都議選前に自民党が次々と失態をおかしたことに首をかしげる。

*  *  *
 今回の東京都議選で自民党は苦しい戦いを強いられる、と安倍晋三首相自身も強く感じていただろう。

 6月19日に報じられた各メディアの世論調査で、安倍内閣の支持率が大きく下落したからである。その要因は、自民党が強引極まるやり方で国会の幕引きを図ったことに多くの国民が怒ったからである。

 一方、小池百合子都知事は都政を「ブラックボックス」と批判。歴代都知事が手をつけなかった都庁を透明なかたちに変革したことに、多くの都民が共感した。そのため、小池氏は高支持率を維持した。

 その小池氏が、都民ファーストの会という地域政党をつくり、代表に就任した。このことに対しては異議も生じたが、それは小池氏の支持率には、ほとんど影響しなかった。

 だが、私は選挙の告示前から、都民ファーストを含め、どの党の姿勢にも少なからぬ不満を覚えていた。どの党も東京都のどこが問題で、東京都をどうするのか、というビジョンを示していなかったからである。

 私は、小池氏が率いる都民ファーストは、当然ながらはっきりしたビジョンを示すのだろうと期待していたのだが、残念ながらビジョンらしいものは示されなかった。築地の市場を豊洲に移すかどうかは、とてもビジョンとは言えない。それに移転の問題も曖昧な部分が多すぎる。

 私は、小池氏の支持率が山を越えて落ち始め、小池氏の支持率だけが頼みの都民ファーストの勢いも弱まるのではないか、と感じていた。

 ところが、どうしたことか、苦戦を自認しているはずの自民党が、考えられないような、わざわざ都民の反発を呼ぶ言動を繰り返している。

 まず、安倍首相が6月24日の神戸市内での講演で、愛媛県今治市で加計学園の獣医学部新設を認めたことに関して「日本獣医師会の強い要望を踏まえて、まずは1校に限定して特区を認めた」と説明した。そして「1校に限定して特区を認めた中途半端な妥協が、結果として国民的な疑念を招く一因となった」「速やかに全国展開を目指したい。地域に関係なく2校でも3校でも、意欲があれば新設を認める」と強調した。


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