日本でも月曜日に会議を開く組織は多い。しかし、営業成績報告の場だと気が重い。「何となく楽しそう」と気楽に受け止められる会合ならば、心が軽くなり、爽快な月曜日のきっかけとなるかもしれない。

 働く人の心の健康(メンタルヘルス)は、今や多くの企業や組織の課題。心身の健康管理は、従業員個人の問題としてだけでなく、経営全体のテーマとしても認識されている。従業員の健康に配慮する「健康経営」を掲げる企業が、最近急速に増えた。

 山形県南東部に位置する上山市は、そんな健康経営を応援する地域づくりを進めている。かみのやま温泉や美しい森林など地域の資源を生かし、ドイツ語で「健康保養地」を意味する「クアオルト」事業に取り組む。

 週末に温泉地に滞在し、森林ウォーキングや栄養バランスのよい食事をとるプログラムを、企業の社員らに提供する。同市内で実施されたウォーキングの心理的影響の調査によると、森林の中を歩いた後は「リラックス感」や「はつらつ感」が高まり、効果が翌日以降も続く傾向があったという。

 同市クアオルト推進室の高橋ちぐみ保健師は「日曜日に森の中を歩くと、月曜日も、はつらつと過ごせます。企業のブルーマンデー対策にも生かせるのではないでしょうか」と話す。

 損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険(東京都)は6月、上山市との間でクアオルトについての連携協定を結んだ。ブルーマンデー対策に特化した目的ではないが、社員の健康づくりを支える健康経営の一環だ。

 約3200人の全社員に対し、上山市での1泊2日のクアオルト体験を勧める。滞在費の一部を会社が補助。社員が健康意識を高めるきっかけづくりにするねらいだ。

 ちょっとした体験や小さな心がけで気の持ち方は変わる。ブルーではなくハッピーな月曜日を迎えられる工夫をしてみてはいかが。

週刊朝日 2017年7月7日号