安室奈美恵
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安室奈美恵『namie amuro LIVE STYLE 2016―2017』(ディメンション・ポイント AVBN―99046~7)
安室奈美恵『namie amuro LIVE STYLE 2016―2017』(ディメンション・ポイント AVBN―99046~7)

 見たい!と願いながら、その機会を逸してしまっていた安室奈美恵のライヴ『namie amuro LIVE STYLE 2016―2017』をDVDでようやく見届けることが出来た。昨年8月~今年5月に全国40都市で計100公演あったホールツアーのうち、名古屋公演を収録している。

【安室奈美恵 ステージ上でのキュートな姿はこちら!】

 宇宙への飛翔を思わせるCGによる映像にはじまり、男性ダンサー3人とプロジェクションマッピングが重なるオープニング。そしてビープ音が鳴り響き、激しいダンス・ビートが流れる。ストロボライトの点滅がやんで、訪れる一瞬の暗闇から一転、スポットライトを浴びた安室奈美恵が姿を現す。

 ダンス・フロアへと誘う幕開けの「stranger」。さらに激しいダンス・ビートが続く「Ballerina」。“バレリーナみたいに踊る私を見たくない?”と少年に誘いをかける主人公そのまま、安室奈美恵の歌、そしてダンスからは優雅さがうかがえる。英語の歌ながら歌謡曲テイストの「Fly」を挟み、恋人への別れをきっぱりと告げる「Black Make Up」まで、幕開けから一気。

 その足元に目を凝らすと、やはりピン・ヒールのブーツ。激しいダンス・ビートに合わせ、ピン・ヒールのブーツで歌い、踊り続ける姿に目を見はる。

 可動式のLEDパネル6台を駆使したモダン・アート的な映像が続いた後、黒のミニ・ドレスに衣装替えした安室奈美恵が実にキュート! “人と比べるよりも、自分らしく、ありのままで!”と女の子に語りかける「Show Me What You've Got」。1960年代のモータウンのヒット・ソングがよみがえるようなポップな「It」。コミカルな仕草も交え、笑みを浮かべながら歌う愛くるしさは、TVの音楽番組などではなかなか見られない。ライヴならではの楽しみのひとつだ。ラップ風の歌いぶりが入り交じる「Rainbow」での明るい表情やカラフルな演出も目をひく。

 ステージと観客の距離も近く、盛り上がる観客の熱気もリアルに伝わってくる。同時に、観客と積極的に交流しようとする安室奈美恵の姿勢もうかがえる。

「Red Carpet」をはじめ、手拍子を求める場面が何度も見られ、「Time Has Come」では観客とのコール&レスポンスも。懐かしい「Body Don't Cry」では手拍子を求めるだけでなくアイドル歌手そのままに客席に笑顔を振りまき、盛んに手を振り、観客を沸かせる。観客も歌を唱和し、コーラスのリフレインではひときわ大きな声をあげるなど、ステージと観客との一体感、その密度は濃い。

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小倉エージ

小倉エージ

小倉エージ(おぐら・えーじ)/1946年、神戸市生まれ。音楽評論家。洋邦問わずポピュラーミュージックに詳しい。69年URCレコードに勤務。音楽雑誌「ニュー・ミュージック・マガジン(現・ミュージックマガジン)」の創刊にも携わった。文化庁の芸術祭、芸術選奨の審査員を担当

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