妻:私は私で「あ、ネジ緩んでたの?」という楽観的なところがあるから。

――子育てに関しては「夫は本物のイクメン」と妻は太鼓判を押す。家族のために「お酒をやめる」と言ってから一滴も飲まないなど有言実行なところもある。

夫:結婚前は朝からガバガバ飲んでいました。でも彼女に「それだけが心配」と言われて、きっぱりやめた。

妻:うちの両親と食事したとき、父に「身内なんだから少しくらい」って勧められても……。

夫:「何言ってるんですか、お義父さん! 僕は飲まないと決めたら飲まないんです!」

妻:空気が読めないというか(笑)。本当に性格的に1かゼロになっちゃう人なんです。

夫:まあ極端だよね。

妻:ピンチはいっぱいあったけれど、そのつど助けてくださる方が現れるのでありがたいです。書も「いいね」と評価して、応援してくださる方がいるから。

夫:書を始められたのも彼女のおかげなんです。雑誌の企画で松川昌弘先生に会い、書と人柄にほれ込んだ。運命的な出会いだと思ったけど、「教室も遠いし、お金もかかる」と僕が二の足を踏んだら、彼女がズバッと「そんなこといいから、とりあえず人生を学んできなさい!」って。

妻:やってみなきゃ、わからないですからね。

夫:ほかにも、僕はプライドが高いところがあって、「すんまそーん」「ありがトーマス」とか昔のネタをずっと封印してたんです。でも彼女に「懐かしネタのどこが悪いの? やればいいじゃん」って言われて。

妻:男性だからプライドが高いのは大事だけど、バランスよくコントロールしたほうがいいですよね。

夫:最近は「懐かしいの出ました!」ってやっています。これがけっこう大ウケで。彼女のおかげです。

妻:いま子どもたちの人気がすごいんですよ。

夫:子どもの書道教室にもよく呼ばれるんです。

妻:これからも彼がやりやすい環境をつくってあげたいと思っています。書家としても芸人としても、もっともっと「バーン!」といってほしいですから。

週刊朝日 2017年6月23日号より抜粋