都内のIT企業勤務の男性会社員(27)はバブ男の上司との飲み会で、「子供ができたら、車を買え」と勧められた。「いらないですよ」と答えると、「今どきの若者は夢がないな」と説教される。車は維持費もかかり、特に憧れない。電車の旅も悪くなく、必要ならレンタカーを借りればいい。正直にそう思うだけなのに。

 人材サービス会社で働く男性(30)はバブ男の上司に、身内だけで結婚式を挙げると報告した。すると、「職場の人は呼ばないのか」とけげんな表情。男性は「盛大な式でお披露目し、上司も招待されるイメージなのでしょう。でも、上司を呼ぶと堅苦しいし、節約もしたくて身内でやりました」。

 男性銀行員(27)は上司のバブ男と飲みに行っても、1次会で帰る。翌朝聞けば、バブ男たちは4次会まで重ねてタクシー帰り。その感覚が信じられない。

「おもしろい話が聞けるなら、つきあいますが、仕事の話や小言は聞きたくない。時間とお金の無駄ですね」

 男性は親しい友人や同期を呼び、よく家飲みをする。「気楽で、沈黙があっても気まずくない」という。

 住まいも価値観が違う。

 大学職員の男性(28)は、40代の上司からマイホームをよく勧められる。

「とりあえず、中古マンションを買ったらいい」

「お金がない。まだいいです」

「賃貸に住み続けるのは無駄。いらなくなれば、売ればいい。ローンも家賃も払うことには変わらない」

「今は生活が精いっぱい」

 そんなやりとりが続いた。男性の思いはこうだ。

 ローンは頭金をためる必要があるし、利息もかかる。中古を買っても資産価値が下がって売れないか、もし売れても安いだろう。

 どこの職場でも、世代間のギャップを感じる人が多いのだろう。第一生命「第30回サラリーマン川柳コンクール」で、愛知県の30代女性はこう詠んだ。

ゆとりでしょ? そう言うあなたは バブルでしょ?

 約11万5千人が投票し、6千票近くを集めて1位に輝いたのがこの句だった。

週刊朝日 2017年6月23日号