新テスト対策 “偏差値を測らない”ペーパー試験とは?

 首都圏中学模試センターによると、2017年の首都圏の中学受験者数(推定)は4万4150人で、前年比450人増。中学受験率も0.44ポイント増の15.12%で、いずれも3年連続増えた。リーマン・ショック以降の落ち込みから、回復傾向が続く。

 受験生が増えているからといって、塾業界が安泰なわけではない。少子化の波は、教育サービス会社の経営を確実に変えつつある。

 東進ハイスクールを経営するナガセは6月6日、子会社である早稲田塾の全23校舎のうち11校舎を閉鎖すると発表。代々木ゼミナールが3年前に全国27校舎のうち20校舎を閉鎖すると発表したことも話題を集めた。

 企業間の競争が激しくなるなか、大手予備校グループは学習塾を系列化する動きを進めている。

 代ゼミは09年にサピックス中学・高校部、10年に小学部を買収。小・中・高で一貫した難関校対策を強化している。通信教育大手のZ会は栄光ゼミナールを買収し、市進学院に出資。河合塾は日能研と提携し「日能研東海」を設立した。

 経営だけではない。これまでの教育内容も変化を求められている。

 教育業界では今、「高大接続システム改革」が最大の関心事だ。大学入試センター試験に代わり、21年4月の大学入学者から「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」が始まる。

 新テストは「一発勝負・一点刻み」からの脱却をめざし、記述式問題で思考力や表現力を測る。

 例えば、英語は「読む・聞く」だけではなく「書く・話す」も含めた4技能のすべてを採点する。民間試験を活用し、何度でも受験できるようになる予定だ。

 新テストの対象となるのは現在の中学3年生以下。「月刊私塾界」の山田未知之編集長は「20年度に向けて塾業界も大きく変わる」と話す。

 新しい入試制度には課題も多い。駿台教育研究所進学情報事業部長の石原賢一さんは言う。

「センター試験は50万人以上が受験します。それに代わる試験で記述式を実施すれば、採点者が不足し、コストの増加も確実です。英語の民間試験を採用するなら、替え玉受験や試験問題の漏洩(ろうえい)などへの不正対策も徹底しなければなりません」

 制度設計の詳細が見えないなか、「20年度から実施」と期限が区切られていることも生徒や保護者を不安にさせている。ある予備校関係者は「大学付属の中高一貫校を選ぶ生徒が増えている」と話す。

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