教育サービス・学習塾業界の関係図(週刊朝日 2017年6月23日号より)
教育サービス・学習塾業界の関係図(週刊朝日 2017年6月23日号より)
有力進学塾別の難関中学合格実績(週刊朝日 2017年6月23日号より)
有力進学塾別の難関中学合格実績(週刊朝日 2017年6月23日号より)

 いま、塾業界が激変の時代を迎えている。少子化の加速で業界再編が進み、2020年度から実施となる入試改革では、これまでとは違う“新しい学力”も求められている。今後はどんな塾が選ばれていくのか。

 中学受験では学習塾が重要な役割を担う。授業だけでなく、問題集の提供や学習プランの管理など、試験日まで塾と子供が二人三脚で駆け抜けていく。

 だからこそ、親は子供の性格に合った塾に入れたいと思うもの。そのためには、各塾の特徴を把握しておくことが欠かせない。

 塾の“実力”を測るうえで最もわかりやすいのは合格者数だろう。

 東京ではSAPIX(サピックス)が圧倒的な強さ。家庭教師グループ「名門指導会」代表で、塾選びもサポートする西村則康さんはこう話す。

「サピックスは『ハイスピード・ハイレベル型』。授業の進度が速く、問題を解かせる制限時間も短い。最難関中学をめざすためのカリキュラムで、頭の回転の速い子供が成績を伸ばしやすい塾です」

 もちろん、難関校に強い塾だからといって、わが子にベストな塾とは限らない。合格者数の実績は、あくまで目安の一つだ。

「理解が遅くても、時間をかけて説明すれば深い理解ができる子供もいます。子供の話すスピードは理解の速さにつながる傾向があるので、ゆっくり話すタイプの子供は、授業の進度が遅い塾や、家庭教師などの個別指導のほうが向いています」(西村さん)

 西村さんによると、サピックスと同じく難関校に強い早稲田アカデミーは、宿題量が多く、チェックも厳しい。一人で勉強したがらない「やればできる子」が向いている。四谷大塚はテキストが充実し、テストのランク分けがきめ細かい。努力すればすぐに成績に反映するので、小さな成功体験を積むことができる。日能研は授業の進度が比較的遅いので、難関校から中堅校まで幅広く対応できるのが強みという。

 関西はどうか。「月刊私塾界」の山田未知之編集長は言う。

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