危険「極まりない」の間違いでは? フジマキが日銀金融政策に大きな疑問 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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危険「極まりない」の間違いでは? フジマキが日銀金融政策に大きな疑問

連載「虎穴に入らずんばフジマキに聞け」

日本銀行の岩田規久男副総裁(左)と黒田東彦総裁(中央)(c)朝日新聞社

日本銀行の岩田規久男副総裁(左)と黒田東彦総裁(中央)(c)朝日新聞社

 日銀が目標とする消費者物価指数(CPI)2%が達成されたら、当座預金への付利金利は1%で済まず、最低2%にせざるを得ないだろう。CPIが2%なのに政策金利が1%では、インフレが加速してしまう。

 すると、年間の日銀の損失は5.4兆円。1年半で自己資本残高の7.84兆円は吹っ飛び、債務超過に陥る。インフレが抑えられ、金利が再びゼロ近くに戻らないかぎり(=再度デフレになる)、債務超過は毎年拡大する。

 この40年間で有担保コールレートが最も高かったのは、1980年7月の12.7%。高インフレかもしれないがハイパーインフレではない。この時程度にインフレが加速し、政策金利を同レベルに引き上げるべき事態でも起きれば、損の垂れ流しは、年約40兆円。債務超過もいいところだ。

 インフレを短期かつ過熱する前に抑え込めないと、債務超過がすさまじくなる。そんな巨大損失を垂れ流す中央銀行や発行通貨を誰が信用するのだろうか?

 クルーグマン博士はかつて、「インフレにするには、日本銀行が信頼を失うことが大事」という趣旨の発言をした。大きく信頼を失えばハイパーインフレだ。今、景気がそれほど良くなく日銀が金利を引き上げなくて済むからなんとなく平穏だが、景気が上向いたらどんなことになってしまうのだろうか?

週刊朝日  2017年6月23日号


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藤巻健史

藤巻健史(ふじまき・たけし)/1950年、東京都生まれ。モルガン銀行東京支店長などを務めた。主な著書に「吹けば飛ぶよな日本経済」(朝日新聞出版)、新著「日銀破綻」(幻冬舎)も発売中

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